DTM リスニング環境 YAMAHA MSP5

お世話になっております。
理系男子の流儀」管理人の「やな」です。

先日、音楽管理ソフトをApple社の「iTunesに変更(※)しました。
初めての「iTunes」の使用にあたって、CDをリッピングする際に「読み込み設定」なるものがあり、その設定方法を選定しましたので、おすすめさせていただきます。


iTunes - Apple(日本)iTunes - Apple(日本) 


※ウォークマンを愛用し続けていることから、今まではSONY社の「Sonic Stage」「X-アプリ」「Media Go」「Music Center for PC」を使用してきましたが、いずれも動作が非常に重いことと、記載の通り次々とソフトを移行させられることから断ち切りました。




前提条件

  • 拡張子「MP3」での最高音質であること

パソコンでよく使われるファイル形式が記されたアイコン


ファイル形式は「WAV」や「AIFF」の方が原曲・元音に近く当然高音質です。
有識者として、浅倉大介さんというプロ音楽プロデューサーの方は以下のように発言しています。


CDからiTunesに取り込む場合は、iTunesアプリケーションの【環境設定】>【一般】からAIFF、44.1kHz、16ビット、ステレオをお勧めします。圧縮せずそのままの音質でiPodやiPhoneで聴いてもらえると思います。
ただ、ファイル容量が、MP3 (320kbps)と比較して約5倍近くになってしまうため、多くの楽曲を管理する場合、全く現実的ではありません(2019年現在の技術では)

他にも「Apple Lossless Audio Codec (ALAC)」や「AAC」等がありますが、それらの中でも、「ファイル容量」と「音質」とのバランス、「汎用性」の高さから、「MP3」が最善であることを前提として選定していきます。





エンコード設定方法

  1. 「編集」→「環境設定」→「読み込み設定 / インポート設定」とクリック
  2. 「読み込み方法」を「MP3エンコーダ」に設定する
  3.  ↓「設定」で「カスタム…」を選択する

iTunes MP3 最高音質

  1. 「MP3エンコーダ」設定画面が立ち上がる
  2.  ↓以下の通りに設定して完成!

iTunes MP3 最高音質 おすすめ設定方法


  • ステレオビットレート :320kbps
  • 可変ビットレート(VBR)のエンコードを使用 :チェックなし
  • サンプルレート :自動
  • チャンネル :自動
  • ステレオモード :通常
  • スマートエンコード調整 :チェックなし
  • 10Hz未満の周波数帯域をフィルタリング :チェックなし

上記設定で、「4分の曲で約9.5MB」となります。
比較として、WAV等の非圧縮音源の場合は「4分の曲で約45MB」となり、PCやウォークマン・iPodでの管理では全く現実的ではありません。




エンコード設定理由解説

上記の設定の意味を順に見ていきます。


■"ステレオビットレート"とは

ビットレートの単位である「bps」は「bit per second (bit / sec)」の略で、ビットレートとはその名の通り「1秒あたりのビット数(データ転送量)」を意味しています。
つまり、数字が大きいほど1秒あたりのデータ量が増えるので、高密度で高音質になります。
MP3ファイルの最高音質はiTunesに限らずどのソフトウェアでも「320kbps」なので、「320kbps」で間違いなしです。



■"可変ビットレート(VBR)のエンコードの使用"とは

「VBR」は「Variable BitRate」の略で、その名の通り「変化が可能であるビットレート」を意味しています。変化のさせ方としては、「音声が複雑・周波数密度が高い部分ではビットレートを多く割り当て」、「音声が単調・周波数密度が低い部分ではビットレートを小さくする」といった方法が考えられます。
メリットとしては、高音質をある程度維持しつつ、容量を小さくできることが挙げられます。ただ、デメリットとして、MP3プレイヤーによっては再生不具合が出たり、ビットレート表記がおかしくなったり、動画上で音ズレの原因になったり、といった報告がネット上で散見されます。

今回はMP3での最高音質を設定するのが目的なので、当然「可変ビットレート(VBR)のエンコードは使用しない = チェックなし」を選択するべきだと考えられます。常にCBR(固定ビットレート)で320kbpsが最高音質です。



■サンプルレートとは

1秒間にサンプリングする音楽の波形の数のことです。サンプリング周波数とも呼ばれます。
単位は国際単位系の定義通り「kHz」で表します。
CDの一般的な音質規格では、サンプリングレートは「44.100kHz」に設定されているため、CDから取り込む場合はそれより大きい数字にしても音質の向上は見込まれず、ファイル容量が大きくなるだけです。したがって、同じレート「44.100kHz」にするか、自動で同じレートを選択してくれる「自動」を設定すればOKです。

自動の方が選択ミスしにくいので、「自動」をおすすめします。



■チャンネルとは

チャンネルとは、「モノラル (1ch)」か「ステレオ (2ch)」かの区別のことです。
モノラルだと容量が半分程度になりますが、ど真ん中からしか音声が聞こえなくなるため、リスニング用途としては全く推奨できません。基本的に音楽ファイルは「ステレオ」で作製されています。

「自動」にしておけば、元の原音がステレオなら「ステレオ」、モノラルなら「モノラル」になりますので、「自動」をおすすめします。



■ステレオモードでの"ジョイントステレオ"とは

ジョイントステレオとは、ステレオ方式のひとつであり、通常は左右に割り振られるトラックを、片方のチャンネルに両チャンネル共通の情報を割りあて、もう片方のチャンネルに、独自の情報を割り当てるという方式です。

ビットレートを「160kbps以下」に設定している場合は、ジョイントステレオに設定することで音質が向上する場合があります。ただ、今回は最高音質である「320kbps」に設定しているため必要ありません。「通常」をおすすめします。



■スマートエンコード調整とは

iTunesで自動的にエンコード設定と音楽のソースを分析することでファイルを小さくするようにエンコードするものです。こちらも音質を犠牲にしてファイルサイズを小さくするため、「チェックなし」をおすすめします。



■10Hz未満の周波数帯域をフィルタリングとは

一般的に人間の可聴域は20Hzから20000Hz程度と言われており、その範囲外の音は聴こえにくいと言われています。したがって、10Hz未満の低音をフィルターでバッサリとカットすることでファイルサイズを小さくする機能です。ただ、聴こえにくいというだけで「全く聴こえない訳ではない」ことと、iTunesのイコライザー機能では「他の周波数帯域に影響を及ぼさない保証がない」、「楽曲全体の音域バランスが崩れる」という理由から、「チェックなし」を強くおすすめします。




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